日本式ジョブ型雇用の予想が闇でしかないw

こんにちは、凡人リーマンです。
今回は「日本式ジョブ型雇用の予想」というテーマでお話していこうと思います。
結論から言うと、ジョブ型とメンバーシップ型の悪いとこ取りをしたような雇用が日本式ジョブ型になると思っています。
まさに闇ですねw
最近話題で、コロナを期に浸透に拍車がかかったジョブ型雇用。
一部の大手企業がジョブ型に完全移行したと発表。徐々に浸透し始めているといっても一般的になるのはまだまだ先の話。
日本はまだまだメンバーシップ型の雇用が続くでしょう。

ジョブ型
メンバーシップ型
予想の根拠
まとめ

ジョブ型

ここでジョブ型とメンバーシップ型の採用の特徴、メリット、デメリットを改めておさらいしておきましょう。

特徴

・特定の仕事をするための専門知識を持つ人と、労働契約を交わすことで採用。
・仕事内容や成果に応じた賃金。
・結果を残せなければ契約終了。
・契約内容以外の仕事は基本せず、異動もない。
・会社と労働者は契約書のもと、対等な関係。

メリット

労働者側:成果を出せば相応の賃金がもらえる。

会社側:あるプロジェクトの専門家を必要に応じて採用できる。
　　　期待外れなら雇用を継続しなくてもよい。
　　　プロジェクトが終われば雇用関係を終了できるので、人件費の足枷が少ない。

デメリット

労働者側:高度な専門知識等、ある程度能力がないと採用されない。
　　　　雇用の継続性はない。

会社側:優秀で残したい社員であっても待遇次第で他社に流れがち(仁義で残ってくれない)。

メンバーシップ型

特徴

・新卒を一括採用。
・”終身雇用、年功序列を前提”とした雇用および賃金である。
・仕事内容の変更や異動等の労働条件に対し、会社側が強い権限をもつ。

メリット

労働者側:大した能力が無くても安定した雇用と収入が見込める。

会社側:自前で採用し、育てた人材を囲いやすい。
　　　会社都合で自由に人材の配置を変更できる。

デメリット

労働者側:仕事ができる人間が正当に評価されにくく、不満がたまりがち。
　　　　仕事量、質に対し、良くも悪くも給与が見合わないことが多い。
　　　　ある日突然、異動を命じられる。

会社側:無能な社員のしがみつきに対する解雇が難しい。
　　　しがみつき社員を抱えることによる人件費の高騰。

こんなところです。
これらをもとに日本式ジョブ型雇用の行く先を予想すると、高度な専門知識を必要とする上に雇用の継続性は保証されず、さらに能力に見合わない安い賃金で、会社都合でいつでもどこにでも(地方の子会社等へ)異動させることが可能。
といったジョブ型とメンバーシップ型の悪いとこ取りをしたような雇用になると思います。

予想の根拠

予想の根拠は3つあります。(1つは統計や歴史という名の非根拠ですがご容赦くださいw)

・日本の企業の99.7%は中小零細企業

ご存じの通り、日本の企業の99.7%は中小零細企業です。
これらの企業はいくら優秀な人材を雇いたくても出せる賃金は限られています。
つまりどうしても大企業よりも労働者に出せる賃金は低くなりがちです。
そして大企業は中小零細の限界を見て、それよりも”わずかに”上であればいいと考えます。
従って、ジョブ型雇用に移転することで雇用が不安定になる反面、結局そこまで賃金の上昇は見込めません。

・大○証券が提唱した専門職募集内容

数ヶ月前に大○証券が提唱した初任給40万円以上の条件(詳しくはこちらを参照)を見る限り、これも高度な専門知識を要する以上、ジョブ型と言えます。
この記事で注目したいのは、”月30時間分の固定残業代を含む“です。
しれっと書いてますが大問題ですよこれww
なぜなら現在、大○証券のメンバーシップ型で採用された正社員の初任給は25.5万円です。
これに固定残業代が含まれていないとして、30時間残業したとします。
20日、8時間労働したとすると時給は1594円、これに1.25倍をかけたのが1時間あたりの残業代になります(詳しく知りたい方は「残業代計算方法」でググってください)。
これをもとに計算すると、30時間の残業代は約6万円で、合計31.5万円です。
はい、もう分かりますね?
専門知識を持ってるとは限らない、メンバーシップ型で採用された、ただ面接に受かった特段能力のない、一流の大学を卒業した”だけ”の人でも30時間残業すればこれだけ貰えるんですよ?
ちなみに30時間の固定残業代含む40万円ってノー残業の月額だと約32万円です。
こんな引く手数多の能力持ってる人に32万ですよ?
フリーランスなら月50万円は当たり前w
しかも残業前提w
いくらなんでも買い叩きすぎの舐めすぎですw

・日本企業は常に会社側に都合よくありたい

日本企業が絶対に留めておきたいもの、それは人事制度です。
というのも、異動なしにすると、地方の子会社等で同じ労働をさせたいができない。
それなら現地で採用すれば?と言う人もいるかもしれませんが、現地にそんなスキルをもった人間がいるとも、仮にいたとして今仕事を求めているとも限らない。
だから異動制度だけは何があっても残すだろうと筆者は考えています。
といったように会社は賃金が安くて優秀で、異動等の会社の言うことをホイホイ聞いて、いざとなったらゴミのように捨てることができる奴隷を求めているわけです。